開催概要

2025年12月17日(水)~2026年2月8日(日)に開催される「バグスクール2025:モーメント・スケープ」の関連トークイベントとして、参加アーティストであるKANOKO TAKAYAさんと本展キュレーターの池田佳穂さんによるトークイベントを開催します。

KANOKO TAKAYAさんは、バリ島を頻繁に訪れていた母親の影響で幼少期からインドネシアの文化に触れてきました。その経験もあり、日本の大学卒業後、インドネシア・ソロに移住し、1年間インドネシア美術大学に在籍。その後バリ島へ拠点を移し、現在も絵画やミクストメディア、立体作品などの制作活動を行っています。拠点をバリ島に移してからは、現地の方とも一緒に制作することが多くなっています。

トークイベントでは、海外に拠点を移した背景や、海外での制作活動を通して何が変わったのか、日本との違い(メリット・デメリット)、活動の中で経験した苦労や学びになったことなどをお伺いします。

また、イベント中、オンラインプラットフォーム「Slido」を使用し、参加者の皆様からの質問をリアルタイムで受け付けます。海外での制作に興味がある方や、インドネシアのアート事情など、関心のある方はぜひこの機会にご質問ください。

開催日時

2025年12月19日(金)19:00-20:30

参加費

無料

会場

BUG

定員

40名

KANOKO TAKAYA
本展出展アーティスト

Kanoko Takayaは、バリ島を拠点に活動するアーティスト。 手で触れたくなるような有機的なフォルムや多様な素材の探求を通じて、人間の身体、感情、自己発見の関係性を探る。 2016年にバリ島へ拠点を移し、個人としての内省と自己発見に焦点を当てた創作活動を始めた。その過程で、自己表現の媒体として多様な素材を作品に取り入れ、無限の実験と非伝統的な技術により、絵画と彫刻の境界を超えようと試みている。人体を連想させる曲線やテクスチャーが特徴で、観る者に親しみと親密さを感じさせる。

主な展覧会:
2025年 「In Her Hands」Prestige Gallery、シンガポール
2024年 個展「Skin Ship」TERRADA ART COMPLEX Ⅱ BONDED GALLERY、東京
2024年  「ARTJOG : Motif – Lamaran」Yogyakarta、インドネシア

キュレーター 池田 佳穂/Kaho IKEDA
池田佳穂/Kaho IKEDA
インディペンデントキュレーター

2016年より東南アジアを中心に、アート・コレクティブ、DIYカルチャー、カルチュラル・アクティビズムの調査を行う。森美術館でアシスタントとして経験を積み、2023年春に独立。現在は、山中suplexの共同プログラムディレクター、およびアートセンターBUGのゲストキュレーターを務める。近年の主な展覧会およびラーニング事業の企画に、「バグスクール2024:野性の都市」(BUG、2024年)、「一人で行くか早く辿り着くか遠くを目指すかみんな全滅するか」(山中suplex、2024年)、「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」(兵庫、2024年)などがある。そのほか、「T3 NEW TALENT」(T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO)キュレーター部門に選出。国際芸術センター青森[ACAC]公募AIR2025ゲスト審査員。シャルジャ・ビエンナーレ16 キュレータープログラム参加。


インドネシアのリアルな魅力

海外を拠点にした制作をテーマに、インドネシア・バリ島を拠点に制作を行うKANOKO TAKAYAさんと、豊富な海外経験を持つ池田佳穂さんによるトークイベントが開催された。
幼少期から母に連れられ毎年バリを訪れていたKANOKOさんは、大学卒業後すぐにインドネシアへ移住し、現地での生活も11年目を迎える。池田さんも強く同意するように、インドネシアで制作する魅力は、とにかくフレンドリーで積極的に人をサポートする国民性があり、新しいことを始めるハードルが低い点だという。また、日本とは比較にならない程スタジオの賃料が安く、大きな作品でも制作しやすい点も重要だと二人は声を揃える。具体的な金額も交えながら、KANOKOさんがどのようにスタジオを設立し運営してきたのか、リアルな実体験が語られた。特に、制作に欠かせないアシスタントのリクルートや人間関係については非常に実践的な話が共有された。また、KANOKOさんが専属のマネージャーと契約し、様々な活動をサポートしてもらっているという点も、日本のアート関係者にとっては新鮮な話題だった。さらに、現地の文化や自然に学び、それらを柔軟に自身の制作へ取り入れていくKANOKOさんのスタイルについても詳しく語られ、展示作品をより深く体感する手がかりとなった。
総じて、海外で制作を志すアーティストはもちろん、幅広い日本のアート関係者にとって示唆に富む、大変刺激的なトークとなった。幅広い話題に通底していたのは、KANOKOさんのインドネシアへの愛と、互いに助け合うインドネシアの国民性の魅力だ。まるでインドネシアの自然や人と展示作品が、KANOKOさんを通じて繋がり、南国の風が吹き抜けていくような時間だった。(本展運営アシスタント:山下港)