開催概要

本トークイベントでは、西田秀己(女子美術大学 芸術学部 准教授)、長坂有希(広島市立大学 芸術学部 講師) 、寺田健人(東京藝術大学 美術学部 助教)、平野真美(名古屋造形大学 造形学部 特任講師)という異なる地域やバックグラウンドだけれども、年代の近いアーティストとして美術大学にて働く4名をお招きします。

いまや美術大学はアーティストやアートワーカーを輩出するのになくてはならない組織です。そこで働く教員の多くは自身もアーティストとして日々作品制作の実践を行っています。教育と制作、研究、そして自身の生活。たくさんの草鞋を履いているように見える彼ら・彼女らは職場でもある美術大学をどのように見ているのでしょうか?

アーティスト活動が多様化する時代にあって、アーティストの舞台の一つとして大学という場所がどうあるべきか、そしてその教育効果、社会効果について、これから美術や美術教育を志す学生や若手教員、アーティストと共に美大のポジティブな未来を考える機会となれば幸いです。

こんな人におすすめ
▷美術大学・芸術大学に通っている人/通ってみたい人
▷アーティストとしての進路に迷いがある人
▷美術大学・芸術大学がどのような場所か知りたい人

開催日時

2025年5月24日(土)19:00-21:00

参加費

無料

事前要申込

会場

BUG

定員

50名

西田秀己 プロフィール写真
西田秀己/Hidemi NISHIDA

1986年 北海道出身、東京都在住。
北海道で建築・空間デザインを学んだのち渡欧、ノルウェー王国ベルゲン芸術デザイン大学にて美術修士を取得。建築に見られる機能的形態をしばしば引用しながら、鑑賞者の視線を周辺環境へ導き風景と人との対話を生む環境インスタレーション作品を多く手がける。その手法は既存の環境に象徴的な要素を挿入することで風景を解体し、鑑賞者自身が再びその人の新たな風景を立ち上げることを目指している。これまでポーラミュージアムアネックス展(2024年/東京)、浪漫台3線藝術季(2023年/台湾)、Time Space Existence(2021年/イタリア)、中之条ビエンナーレ(2019年/群馬県)、Unmanned 無人駅の芸術祭(2018年/静岡県)、光州ビエンナーレ(2014年/韓国)、札幌国際芸術祭(2014年/札幌)ほか多数で作品を発表。2018年から2019年にかけてポーラ美術振興財団在外研修員としてモスクワに滞在。現在は女子美術大学芸術学部准教授。

長坂有希 プロフィール写真
長坂有希/Aki NAGASAKA

パフォーマンス、構造物、映像を用い、他者とのコラボレーションやグループによる共同実践を通して活動するアーティスト。代表作「Pull and Raise/Topple」シリーズでは、大勢による構造物の移動をパフォーマンスとして行い、社会的緊張や協力関係を可視化する。福島でのプロジェクト、韓国と日本の間にある無人島でのパフォーマンス、マレーシアの難民との協働など、政治的・社会的背景をもつ作品を多数展開し、地政学、境界、移動といったテーマに取り組んでいる。また、アメリカで始まった「Songs While Bound」シリーズや、香港での「Superstring Secrets」など、音楽や言語を取り入れた作品では、国家、監視、記憶を主題に、個人と社会の関係性を問いかけている。
主な展覧会に、「STAND」(ウォーターミル・センター、ニューヨーク)、「縄張りと島」(東京オペラシティ アートギャラリー)、「Scratching the Surface」(ハンブルガー・バーンホフ現代美術館、ベルリン)、「They Do Not Understand Each Other」(大館當代美術館、香港)、「あいちトリエンナーレ2019」(愛知)、「Uprisings」(ジュ・ド・ポーム国立美術館、パリ)などがあり、協働やアイデンティティの再考を促すインスタレーションを発表している。
https://www.akinagasaka.net

寺田健人 プロフィール写真
寺田健人/Kento TERADA
https://scrapbox.io/recruit-art-center/%E5%AF%BA%E7%94%B0%E5%81%A5%E4%BA%BA_%2F_Kento_TERADA

1991年沖縄県生まれ。写真を軸に、映像や立体など多様な手法を取り入れたインスタレーションによって制作を行う。人がどのようにして「性」や「生まれ」といった社会的な枠組みによって行動や思考を方向づけられていくのかに関心を持ち、「個人的なことは政治的なこと」というラディカル・フェミニズムの視点を足がかりに、そうした構造を問い直す手段として表現を行う。社会の中で生きる個人のあり方を通じて、制度や規範のなかにある力のかたちを思考しつづけている。現在、東京藝術大学 美術学部先端芸術表現科 助教、京都芸術大学通信教育部美術科写真コース 業務担当非常勤講師。

平野真美 プロフィール写真
平野真美/Mami HIRANO

1989年岐阜県出身。2014年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端藝術表現専攻修了、2023年から東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程先端藝術表現専攻在籍。
闘病する愛犬や、架空の生物であるユニコーンなど、対象とする生物の骨や内臓、筋肉や皮膚など構成するあらゆる要素を忠実に制作することで、実在・非実在生物の生体構築、生命の保存、または蘇生に関する作品制作を行う。不在と死、保存と制作、認知と存在に関する思索を深め、現代の私たちはいかにそれらと向き合うのかを問いかける。

http://hiranomami.net/
https://x.com/hiranomami

実施風景