わたしのなかの”あの子”と話す方法
―「聞かれること/聞くこと」によるケアー
尹雄大(作家/インタビュアー)×竹中香子(一般社団法人ハイドロブラスト プロデューサー・俳優・演劇教育)
開催概要
もの書きでありインタビュアーである尹雄大さんをお招きしてトークイベントを開催します。
本イベントは昨年のCRAWLにて企画が選出され、7月4日〜21日にBUGにて「サテライト・コール・シアター」を開催する竹中香子によるプレ企画となります。
「サテライト・コール・シアター」では、公募により12名の家でのケアを行うホーム・ケアリストたちが自身のケアの物語をナラティブパートナー*との対話を重ねて執筆します。
会期中にBUGには電話がかかってきます。ホーム・ケアリストが紡いだ物語を電話を受け取ると聞くことができます。「ケア」という行為に不確実性が満ちているように、電話がいつかかってくるかはわかりません。
本作は「聞くこと」が創作プロセスから会場にまで貫かれている一つの大きなキーワードとなります。現在も、ホーム・ケアリストが話して、ナラティブパートナーが聞くという創作は続いています。
尹雄大氏はこれまでに2000人を超える人たちへインタビューを行い、現在、インタビューセッションなどを行う「聞くこと」の専門家と言えるでしょう。
本作の企画・演出である竹中香子が尹氏に「聞くこと」とそれを物語として紡いでいくことを聞いていきながら、トークを進めていきます。
ナラティブパートナー:ホーム・ケアリストたちのテキスト執筆過程に「傾聴」と「対話」を通して寄り添う「伴走者」です。本作では、うちはし華英、佐々木将史、田村かのこ、萩原雄太、南野詩恵がナラティブパートナーとしてホーム・ケアリストたちの自発的な創作をサポートします。
こんな方におすすめ
▷介護や育児などケアに携わっている人
▷演技や演じることに興味がある人
▷自分のコミュニケーションをアップデートさせたい人
2025年5月25日(日)19:00 – 21:00
無料
事前要申込
オンライン
50名

神戸市生まれ。大学卒業後、テレビ制作会社勤務などを経て執筆業に携わる。研究者や作家、アスリート、芸能人、アウトロー、宗教家などさまざまな分野の人たちに取材を行ってきた。近年はインタビューセッションと題して、一般の方へのインタビューを行っている。主な著書として『句点。に気をつけろ』(光文社)、『聞くこと、話すこと』(大和書房)、『異聞風土記』(晶文社)、『さよなら、男社会』(亜紀書房)、『身体の知性を取り戻す』(講談社新書)など。

一般社団法人ハイドロブラスト プロデューサー・俳優・演劇教育
2011 年に渡仏。日本人としてはじめてフランスの国立高等演劇学校の俳優セクションに合格し、2016年、フランス俳優国家資格を取得。パリを拠点に、フランス国公立劇場を中心に多数の舞台に出演。2017年より、日本での活動も再開。俳優活動のほか、創作現場におけるハラスメント問題に関するレクチャーやワークショップを行う。2021年、フランス演劇教育者国家資格を取得。主な出演作に、市原佐都子作・演出『妖精の問題』『Madama Butterfly』。太田信吾との共同企画、映画『現代版 城崎にて』では、プロデュース、脚本、主演を担当し、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2022 にて優秀芸術賞を受賞。2024年初戯曲を執筆し、YAU CENTERにて『ケアと演技』を上演。太田信吾との共同演出作品『最後の芸者たち』は、Festival d’Automne Paris 2024のプログラムとしてパリで上演される。初の長編映画プロデュース、太田信吾監督作品『沼影市民プール』が、全国公開を控える。「演技を、自己表現のためでなく、他者を想像するためのツールとして扱うこと」をモットーに、アートプロジェクトの企画を行う。