開催概要
芦川瑞季さんは、出会った風景やそのときに受け取った感覚を起点に、リトグラフ技法で作品を制作しています。今回は版画技法を学ぶのではなく、芦川さんが近年関心を寄せる「使い道のない公園」に焦点を当てます。当日は芦川さんのトークを踏まえて、BUG周辺の風景のなかで身近な素材を用いて「公園」をつくります。芦川さんの制作背景により深く触れながら、都市の風景と新たな視点で向き合うワークショップです。
① 2025年12月28日(日)13:00 – 16:00
② 2026年 1月12日(月) 13:00 – 16:00
※各回の内容は同じです。
無料
事前要申込

1994年生まれ。武蔵野美術大学大学院博士後期課程修了。出会った風景から受容した気分をもとに、リトグラフを用いて作品制作を行う。版の表面性や不可逆性と、知覚から得られる情報を重ね合わせ断片的イメージを構成している。近年は過渡性のある風景に関心がある。
主な展覧会:
2025年 個展「芦川瑞樹 展」アートゾーン神楽岡、京都
2024年 「落石計画第14 期 霧界/Unbound」旧落石無線送信局跡、北海道
2023年 「誰かのシステムがめぐる時」トーキョーアーツアンドスペース本郷、東京
主な受賞歴:
2022年 第3回 PATinKyoto 京都版画トリエンナーレ2022 一般財団法人NISSHA財団賞
2021年 第8回山本鼎版画大賞展 大賞
2019年 アートアワードトーキョー丸の内2019 A.A.T.M.2019三菱地所賞
2018年 第19回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト
東京駅にひっそり作る自分だけの空間
都市の見落とされがちな風景に一見無関係なモチーフを重ね合わせ、リトグラフの技法で表現する芦川瑞季さん。そんな芦川さんが近年注目しているモチーフが、都市で生活する私たちが出すゴミの埋立地に作られた公園だ。芦川さんは、私たちの生活の延長線上にありながら、まるで都市の余白のように、明確な役割を持たない埋立地の公園の面白さに惹かれているという。今回は、そんな埋立地の公園のように「使い道のない」公園を両手に収まる程度の大きさで作り、街の中にインストールするプログラムを行った(「使い道のない」はAIが生成した、芦川さんお気に入りの表現だそう)。
まず、BUGの周辺を散策し、自分の公園を置きたい場所を見つける。自分のイメージする公園に合った場所を探しても、気になった場所に合わせて公園を作っても良く、アプローチは自由だ。場所が決まった方からBUGに戻り、公園の制作に取り掛かる。皆さん黙々と手を動かし、着々と自分だけの公園を作り上げていく。用いる素材は段ボールや紙粘土、食器洗い用スポンジ、モールなど、身近な素材ばかりなのに、全く想像もしなかった公園が出来上がっていく様子が印象的だ。公園が完成すると最初に選んだ場所に置き、どのような思いで公園を作りこの場所に置いたのか、各参加者の話を聞いて撮影会を行っていく。個人的な思い出や理想の機能など様々な思いの表現がされた公園が、葉っぱの上やビルのガラス面など都会の片隅に次々と生まれていった。
東京駅という公共の場に、ひっそり現れる参加者の個性が詰まった私的な公園。その面白さをみんなで共有し合うことができた。芦川さんが作品に込めた思いを聞いた上で公園の制作と設置を体験することで、参加者は都市と自分の関わりを新しい目線で感じられたに違いない。(本展運営アシスタント:山下港)










