開催概要
八木恵梨さんは、言葉にしにくい事柄を、イメージをつくりながら、時には連想ゲームのようにイメージ同士を結び合わせて作品へと展開していきます。本展では、「半魚人の手がテーブルを勢いよく叩くこと」や「きゅうりの駒」といったモチーフが鍵となっています。 今回は、出展作品をもとに八木さんが考案した遊びを体験し、参加者の感想を取り入れながら、八木さんとともにその遊びを発展させていきます。
[アーティストから皆さんへ]
この文章を書いているいま、私は半魚人の手がテーブルを叩く装置を作っています。2~3mぐらい上から半魚人の手が垂直に落ちてきてテーブルを叩きつける仕組みです。私はこの光景をずっと見てみたく、今回たくさんの方に協力していただいて制作しています。机の上には、きゅうりの断面に絵が描かれたコマのようなものが並べられていて、手が落ちてきた衝撃でそれらが散ることになっています。私はこの要素を使って出来そうな遊び方をいくつか考えてきますので、みなさんとその遊びを育てたいと思います。その延長で、私がなぜこの光景が気になっているのかをお話しできたらいいなと思いますし、みなさんの感想もお聞きしたいです。お気軽にどうぞ!
2026年1月11日(日)14:00 – 16:00
無料
事前要申込

1994年沖縄県宮古島市生まれ。「うまく説明できないけれど、直感ではそれが重要だとわかる」、そんな“暗示めいた事柄”を、イメージを通して解読し、他者に共有しようと試みています。近年は、「怒ってテーブルを叩く半魚人」のイメージを中心に制作しています。
主な展覧会:
2024年 個展「The Half‑Fishman’s Table」Gallery Blue 3143、東京
2023年 個展「TABLE MANNER LIFE, SAVE, AH〜 #8」Ritsuki Fujisaki Gallery、東京
2022年 個展「LIFE, SAVE, AH〜 #6」Token Art Center、東京
主な受賞歴:
2022年 第23回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト
きゅうりと半魚人からどこまでも広がる想像
明確なイメージを作ったり分かりやすい答えを出したりするのではなく、自分の中に湧き上がるイメージから連想し、柔軟に新しい見方を広げていく八木恵梨さん。今回は、そんな八木さんらしく、展示中のきゅうりと半魚人の手の立体作品を使って、みんなで新しいゲームを考える斬新なプログラムが行われた。
まず、色々な形に切られたきゅうりの立体作品を並べ、それぞれが何に見えるか、みんなで考えて、名前を付ける。普通きゅうりに名前を付けることなどないが、連想を広げていく八木さんらしいアプローチだ。そのきゅうりを、実際の展示に使われているテーブルの上に並べて、半魚人の手をテーブルの上に叩きつけ(紐に結われた手がテーブルに落ちる仕組みで、展示中に誰でも体験できる)、きゅうりを散乱させることで、2つのゲームに展開する。1つ目は、散らばったきゅうりの形から連想するイメージを伝え合うというもの。それぞれがきゅうりを組み立て、散乱させ、草花で装飾し、その様子を方眼紙に記録し、連想してイメージを伝えるというプロセスを、5分にも満たないスピードで行っていく。2つ目は、2チームに分かれてきゅうりの崩れ方を競うもの。半魚人の手の衝撃で、八木さんの心に響くような形にきゅうりが散らばるように、両チームが工夫してきゅうりを組み上げる。どちらのゲームも明確なルールが決まっている訳ではなく、もっと楽しむためにはどうすれば良いか、実際にゲームを楽しみながら参加者と八木さんとの間で考えていった。
正に新感覚の、独特なプログラム。最初は戸惑い気味だった参加者も、いつの間にか夢中になり、もっとゲームを面白くしようと誰もが積極的に関わっていった様子が大変印象深い。答えを与えるのではなく、自由な発想の連鎖に委ねる様は正に八木さんの制作態度のようで、きっと参加者は八木さんが制作中に味わう面白さの一端を体感できたことだろう。(本展運営アシスタント:山下港)









