開催概要

吉田さんは、採集者・デザイナー・プリンターという肩書きを持ち、活動しています。本展では、カフェスペースのガラスから降り注ぐ自然光に着目し、「光の採集」をテーマに作品を展開します。ワークショップは期間を分けて2日間開催され、1日目は身近な材料を用いて、光を採集する仕組みを理解・制作します。その後、各自ご自宅でその仕組みの過程を観察し、2日目に再び集まった際に、観察の過程をみんなで共有します。

開催日時

①「光の採集と複製I:光を採集する 」1月17日(土)15:00 – 18:00
②「光の採集と複製II:光を複製する」 2月1日(日)13:00 – 16:00
※このワークショップは連続参加型(全2回)です。両日ともご参加いただける方が対象です。

参加費

無料
事前要申込

𠮷田勝信/Katsunobu YOSHIDA

採集者・デザイナー・プリンター。山形県を拠点にフィールドワークやプロトタイピングを取り入れた制作を行なう。近年の事例に海や山から採集した素材で「色」をつくり、現代社会に実装することを目的とした開発研究「Foraged Colors」や超特殊印刷がある。趣味はキノコの採集および同定。

主な展覧会:
2025年 「VOCA展2025」 上野の森美術館、東京
2024年 「ゴミうんち展」21_21 DESIGN SIGHT 、東京
2023年 「もじイメージグラフィック展」21_21 DESIGN SIGHT、東京


一人一人が研究者―「教わる」のではなく「学ぶ」
採集者・デザイナー・プリンターという異なる肩書きを持ちながら、それらの繋がりを模索する試みを続ける𠮷田勝信さん。その幅広い活動を貫くのは、工業化された現代の私たち人間の暮らしを、人間と自然との関わりから見つめ直そうとする眼差しだ。今回は、身近な自然素材を使って、光を集め、プリントするという、𠮷田さんの哲学がたっぷり詰まったプログラムを開催した。
光をプリントするにはどうすれば良いだろうか?まず、これまでの𠮷田さんのリサーチを元に、歴史的な背景や、𠮷田さん自身の試みについて話を聞く。その上で、カレーなどにも使われており身近なターメリックを使って、光を写し取る実験を行った。まず、ターメリックをエタノールに溶かし、紙に塗っていく。ターメリックの量や塗り方、重ね塗りの回数などに決まりはなく、この段階で既に各参加者の個性が表れる。そしてそれを自宅に持ち帰り、紙の上に物を置くなどして、光が遮られる部分を作ってから日光に当て続ける。そうすると、光の当たった部分は徐々に白くなる一方で、隠された部分はターメリックの色が残るので、光を写し取れるという仕組みだ。光を当てた紙を2週間後に再び持ち寄り、次はその紙を、重曹を溶かした水に漬ける(アルカリ性になっているのだそう)。しばらく待つと、反応したターメリックが赤や茶色に変わり、写し取った像がはっきり見えるようになってくる。好きな色に変わったら完成だ。そこかしこで歓声が上がり、自然と会話が生まれ、まるでここは、どこかの学校の理科室のよう。そして最後に全員の作品を集めると、壮観!それぞれの実験によって採集し複製された光が、それぞれの色と形でそこに立ち現れていた。
プログラムの概要だけを聞くと、普通のワークショップのように、参加者は𠮷田さんから「正しい」やり方を「教わる」ことをイメージするかもしれない。だが実際には、ターメリックを何グラム使うべきなのか、重曹液に何分漬けると良いのかなど、「正しい」方法があるのではなく、𠮷田さんに導かれながら参加者が自分で考え、試みていった。一人一人が研究者だ。そしてその結果から、𠮷田さん自身も気付き、学んだ。正に、「教わる」のではなく「学ぶ」ことを大事にするバグスクールらしい、お互いの学び合いの場となった。(本展運営アシスタント:山下港)

1月17日(土)

2月1日(日)