CRAWL レクチャーシリーズ①「三代目 J Museum Curator(s)」BY 成相肇(東京国立近代美術館主任研究員)
開催概要
アートワーカー(企画者向け)オンラインプログラム CRAWLは、文化芸術のフィールドでさまざまな形で企画について考えながら、実践してきた方たちをお招きして、レクチャーを開催します。
本レクチャーシリーズは、CRAWLのプログラムの一環として開催され、どなたでもご参加いただけます。
昨年に続いて2025年の一回目は東京国立近代美術館主任研究員の成相肇さんをお招きいたします。
「三代目 J Museum Curator(s)」と題して、数々の美術館にて学芸員として勤め、独自の視点で戦後日本の美術と文化を展覧会の企画のみならず著作『芸術のわるさ コピー、パロディ、キッチュ、悪』(かたばみ書房、2023年)などにて取り上げてきました。そのような成相さんの職場でありつづけ、研究対象のフィールドでもあり続けた美術館を「世代感覚」を切り口にお話ししていただきます。
美術館が好きな人のみならず、これからの美術の行方に関心がある方にもおすすめです。
講師からのコメント
美術館の学芸員として、自分はおよそ第三世代にあたるのではないかと考えています。日本の国内で、主に戦後になって設立されたいくつかの美術館の館員らが、まずは土台を形成し美術館という形を模索した。仮にこれを第一世代であるとして、バブル期に各地で美術館の建設ラッシュが起こり、今日における美術館像の輪郭を形成した学芸員たちを第二世代と設定してみます。そうすると第三世代は、その後の経済の冷え込みやいわゆるハコモノ批判を受けつつ低予算の中で知恵を絞ってきた世代です。
予算は無いが先輩たちが築き上げたコレクションがあり、それを活用して企画をつくらねばならない。ポストバブルに求められたこの課題を「三代目」はいかにクリアしようとし、その実践はいかに次の第四世代(4G)以降につながっているのでしょう。
と、このように書くとずいぶん大げさですが、そのような世代的自覚のもとで、僕自身が楽しくつくってきた展覧会について具体的にお話しします。
こんな人にオススメ
▷美術館が好き・興味がある
▷学芸員、キュレーターという仕事に関心がある
▷文化芸術のフィールドにおいて企画をすることに関心がある
2025年7月25日(金)19:00-21:00
オンライン(Zoomを用いて開催いたします)
無料、事前要申込
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東京国立近代美術館主任研究員。府中市美術館、東京ステーションギャラリーを経て2021年から現職。戦後日本の前衛芸術を中心に、ファインアートとその周縁に流動する視覚文化を研究、雑種的な複製文化と美術を交流させる領域横断・拡大的な展覧会を企画。主な企画に「石子順造的世界」(2011-12年)、「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン」(2014年)、「パロディ、二重の声」(2017年)など。著書に『芸術のわるさ コピー、パロディ、キッチュ、悪』(かたばみ書房、2023年)。