開催概要

本展で平松可南子さんは水の作用によって変化し続ける現象に着目して作品を制作しました。
プログラム当日は、平松さんと一緒に東京駅周辺の「駅もれ」を巡りながら、制作時に大切にしている感覚を参加者と共有します。ユニークな視点で東京駅を探索してみましょう。

【アーティストから皆さんへ】
去年の夏は暑過ぎたためか、家のエアコンから水滴が落ちてくるようになりました。私はエアコンが直るまで水が落ちてくる場所に大きなコップを置きました。
時間が経つと、そのコップとはまた違う位置に水が落ちてきています。また私は別のコップを持ってきて、置きました。家にあるコップはそんなに大きなものがないので、さっきより小さいコップです。水が落ちるたびに小さな水飛沫が部屋に飛び散りました。



私たちがよく使用している駅のいたるところには雨漏りが生じています。
その雨漏りに対応するために作られているビニールやチューブを使った駅構内の漏水対策は施工業者や時には駅員さんたちの賜物で、さまざまな形のものが存在しています。漏水対策は大雨が降るたびに日々増えたり減ったりしているそうです。

石灰岩の地域にできた洞窟は、洞窟の中に雨水や地下水が石灰分を溶かしながら流れ込みます。その水は壁面を伝いながら降りていき、石灰の薄い膜をつくります。膜は雨が降って壁を伝うたびに重なりが増え、しずくとなって落ちたものは沈殿し鍾乳石になります。そのように洞窟の形は少しずつ変化します。

両者ともに共通することは、水の力によって常に動き続けていることです。

そして、今回の駅もれツアーでは、洞窟を探索するかのように東京駅を練り歩き、東京駅の駅もれを発見することが目的です。

駅をいつもと違う側面で見てみましょう!

開催日時

2025年1月25日(土)17:00-18:30

参加費

無料
事前要申込

平松可南子/Kanako HIRAMATSU

1997年大阪府生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画研究室修了。
アリが砂を積む行為や雨のたびに変化する水たまり、噴射しながら重力で形を保っている噴水など、ものが繰り返しあらわれ、変化してゆく現象をモチーフとして描いている。それらのものや事象は、境界線が曖昧で正面性を持っていない。絵と正対した鑑賞だけでなく、展示という状況を含めた絵画表現を模索している。

主な展覧会:
2024年「TOKAS-Emerging2024 / 砂を積む」トーキョーアーツアンドスペース、東京
2023年 個展「イ反」三菱一号館歴史資料室、東京
2022年 個展「すこしずつちがう」六本木アークヒルズ25階、東京

主な受賞歴:
2022年 第25回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト
2022年 ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI 2022(三菱地所賞)
2022年 ART IN THE OFFICE2022


プログラム実施風景