開催概要
平松可南子さんは、ものや形を色んな角度から見つめてみたり、それぞれの関係性に考えを巡らせたりしながら制作しています。当日はワークショップを幾つか組み合わせて、平松さんの制作の手前にある感覚を参加者と共有します。自由な感覚と発想で私たちの身の回りにある風景や形について考えてみましょう。
2024年12月27日(金)14:00-16:00
無料
事前要申込

1997年大阪府生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画研究室修了。
アリが砂を積む行為や雨のたびに変化する水たまり、噴射しながら重力で形を保っている噴水など、ものが繰り返しあらわれ、変化してゆく現象をモチーフとして描いている。それらのものや事象は、境界線が曖昧で正面性を持っていない。絵と正対した鑑賞だけでなく、展示という状況を含めた絵画表現を模索している。
主な展覧会:
2024年「TOKAS-Emerging2024 / 砂を積む」トーキョーアーツアンドスペース、東京
2023年 個展「イ反」三菱一号館歴史資料室、東京
2022年 個展「すこしずつちがう」六本木アークヒルズ25階、東京
主な受賞歴:
2022年 第25回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト
2022年 ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI 2022(三菱地所賞)
2022年 ART IN THE OFFICE2022
鳩から広がる世界の見方
平松が普段の制作から注目している”鳩”と”物の見方”にフォーカスしたワークショップを行った。まず、東京駅の周りを散策して鳩を探し、後の制作に使う鳩の写真を撮影した。そして宿題として課されていた、街の中で見かけた鳩を撮影した写真を見せ合い、平松なりの鳩の見方や平松が注目している鳩の習性などの話を聞いた。次に、時間を制限して3分以内で溶けていく氷の絵を書いたり、体を制限して手首から先だけ、肘から先だけなどを使ってドローイングをしたりして、自由に描く時とは異なる、制限されることによって変化する表現を体感した。最後に、紙で立方体を組み立て、先に撮影した鳩を様々な角度から見た絵を立方体の各面に描くことで、平面の絵を立体に拡張した。鳩の表現や各面の使い方に個性が表れる力作揃いとなった。平松が普段の制作で大事にしている、物の多面的な見方を体感することができ、日常の新しい見方にも繋がる得難い時間だった。(本展運営アシスタント:山下港)