開催概要
やんツー個展「浮遊する器官」の開催に際し、現代社会におけるテクノロジーやその倫理のあり方を問い直す特別レクチャー&トークイベントを開催します。本展のテーマに関連する「テクノロジーと戦争、ひいては政治との関係」の話や、「作品の実装プロセスや各フレームワーク・手法の選定理由」といった開発面の話、またそこに付随する「技術者倫理」に関してなど研究と制作の両面から深掘りします。
【プログラム内容】
〈第一部〉
●18:30〜19:45|戦時下で行われる空間実践論
● ゲスト:村井琴音(研究者)
展覧会の会場内にて、インタビュー映像を公開中の村井氏を招き、戦時下のウクライナにおける市民の防衛行為を建築的観点から紐解きます。公的データや建築空間の分析内容を基に、極限状況下で市民がいかに空間を改変し、生存のレジリエンスを確保しているのかをリサーチする村井氏の取り組み。その内容を共有していただくとともに、デジタルアーカイブ化による社会実装の可能性などについてもお伺いしていきます。
〈第二部〉
● 19:45〜20:30|本作の開発プロセスや技術倫理について
● ゲスト:稲福孝信(プログラマー、AIシステムのエンジニアリング)、白石晃一(美術家、カタパルトの制作担当)
本展の制作を支えた技術者たちを迎え、実装までのプロセスや使用した技術についての話をお伺いします。例えば、使用したAIのフレームワークやシステム、ドローンを自律飛行させるための装置やカタパルトの設計など。また、テクノロジーを突き詰める先にある倫理的な問いや、兵器と同様の機能を持つ作品を制作する上での葛藤など、技術者ならではの視点から本作について意見を交わし合います。
【こんな方におすすめ】
▷本展の作品設計・実装などに関するリアルな話を聞きたい方
▷戦争や紛争の話を、建築や作品を通して捉え直したい方
▷やんツー展の作品理解を深めたい方
【登壇者】
第一部:村井琴音、やんツー、筒井一隆(モデレーター)
第二部:やんツー、稲福孝信、白石晃一、筒井一隆・野瀬綾(モデレーター)
2026年3月19日(木)18:30 – 20:30
無料
事前要申込

1984年、神奈川県生まれ。絵を描く、鑑賞する、作品を設置撤去するなど、美術の制度にまつわる人間特有と思われている行為を、機械に代替させるインスタレーション作品で知られる。また、近年はテクノロジーの利便性や合理性の背後に隠蔽される、政治性や特権性、暴力といった問題について考察するため、レーシングカー玩具を鈍速化させたり、自作の大型発電機によって展示空間を発電所に変容させるなど、技術と社会の関わりをテーマに制作している。
文化庁メディア芸術祭アート部門にて第15回で新人賞(2012)、同じく第21回で優秀賞(2018)を受賞。TERRADA ART AWARD 2023 ファイナリスト寺瀬由紀賞。ACCニューヨーク・フェローシップ(2023)にて6ヶ月渡米。近年の主な展覧会に、近年の主な展覧会に、「瀬戸内国際芸術祭2025」(平賀源内記念館、香川、2025)、「Random Access Project 4.0」(ナム・ジュン・パイクアートセンター、龍仁、韓国、2025)、「MOTアニュアル2023」(東京都現代美術館、東京、2023)、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館、東京、2022)、「遠い誰か、ことのありか」(SCARTS、札幌、2021)、「DOMANI・明日展」(国立新美術館、東京、2018)、などがある。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程在籍。研究対象は、ロシア・ウクライナ戦争下の居住空間における改変と、生存のための空間実践。2025年10月より東京大学先端科学技術研究センターROLESにてインターンシップ。2023年せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦 全国10選選出など。
1984年東京都生まれ。プログラマー。商業施設・公共施設におけるインタラクティブな展示物の制作や、現代美術やメディアアートの分野を中心とした作家の作品制作にテクニカルサポートとして参加。自身もコンピューターと関連する技術そのものを素材・題材としたインスタレーション作品の制作などを行う。
美術家、京都芸術大学プロダクトデザイン学科准教授、ファブラボ北加賀屋共同設立者。金属造形やデジタルファブリケーションの技術を駆使し、コンピューターを組み込んだ可動型の彫刻を制作。公共空間でのパフォーマンスや観客参加型作品を発表する。「平成美術:うたかたと瓦礫デブリ 1989–2019」(2021)に参加。
