やんツーはこれまで、AIやセグウェイといったテクノロジーを用いた作品を発表しながら、進歩主義や資本主義に対して批判的なまなざしを投げかけてきました。また、これらテクノロジーに関わる人間の身体性や主体性を捉え直すことも試みています。
本展タイトルの「浮遊する器官」とは、外部化された「器官」としてのテクノロジーが、その基礎となる「有機的な身体」からひきはがされて、再配置され得る状態を指します。そして同時に、ドローンやAIをはじめとしたテクノロジーは、浮遊した位置から人間の目や手、脳などの器官を代行し、ときに戦争といった暴力へと利用されてきた現実を表しています。本展にてやんツーは、テクノロジーの在り方と、それが引き起こす現状に私たちがどう向き合うかを問いかけます。BUGの天井高(7.2メートル)を存分に活かし、AIを搭載したドローンとそれを撃墜しようとする装置たちが対話を重ねる新作をぜひご覧ください。
アーティストプロフィール

1984年、神奈川県生まれ。今日的なテクノロジーが導入された動きを伴う装置、あるいは既存の情報システム、廃品などを誤用/転用/ハッキングする形で組み合わせ、平面や立体、インスタレーション、パフォーマンスといった形式で作品を発表している。テクノロジーによって無意識化/隠蔽される政治性や特権性を考察し、明らかにしていくことを試みる。文化庁メディア芸術祭アート部門にて第15回で新人賞(2012)、同じく第21回で優秀賞(2018)を受賞。TERRADA ART AWARD 2023 ファイナリスト寺瀬由紀賞。ACCニューヨーク・フェローシップ(2023)にて6ヶ月渡米。近年の主な展覧会に、「MOTアニュアル2023」(東京都現代美術館、東京、2023)、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館、東京、2022)、「遠い誰か、ことのありか」(SCARTS、札幌、2021)、「DOMANI・明日展」(国立新美術館、東京、2018)、あいちトリエンナーレ2016(愛知県美術館)などがある。また、contact Gonzoとのパフォーマンス作品や、和田ながら演出による演劇作品発表など、異分野とのコラボレーションも多数。
開催情報
2026年2月25日(水)– 4月5日(日)
11:00 — 19:00
火曜
無料
BUG



