本ワークショップでは、参加者とともに行政文書を鑑賞します。
「鑑賞」という形式を通して、社会的な「判断」が振り付けられてきた状況に触れます。
当日は、実際の行政手続きで用いられている制度文書を取り上げます。
障害年金の申請時に使用される診断書の様式を主題にする予定です。
文書の正しい読み方や結論は提示されません。発言は必須ではありません。
制度文書の形式を鑑賞することで、他者との連帯を必要とせざるをえない状況を素朴に理解することはできないかもしれません。
連帯が「希望」に見えてしまう前の、「晴天の霹靂」という言葉があらわす詩性とは、個人に宿るものではないのかもしれない、という事実とともに、冷たく、重たい地平を歩くことになるかもしれません。
理解や合意を目的とする場ではなく、判断以前にあらわれる相似の感覚や、とまどいを含めて過ごす時間として構成されます。
社会的テーマを扱う実践に関心を持ちながら、「説明責任」「当事者性」「正しさ」の扱いに迷いを抱えている方にお越しいただきたいと考えています。
本ワークショップのファシリテーションは、ダンス分野で活動されているドラマトゥルクの呉宮百合香さんが行います。
本企画では、行政文書の変化や制度の転回を、社会の中で判断が「振り付け」られてきた痕跡として捉えてみます。その視点から、舞台作品の中で起こる出来事や振り付けの構造を読み取り、社会的な意味合いを調整する役割をも担うドラマトゥルクの呉宮百合香さんにファシリテーションをお願いしました。
【こんな人におすすめ】
1|社会的なテーマを扱う実践に関心がある方
アート、文化活動、教育、研究などの分野で社会的なテーマに関わりながら、「説明責任」「当事者性」「正しさ」の扱いに迷いを感じている方。
2|制度や社会の変化の現れ方に関心がある方制度がときに突然姿を変えてきたという事実を、行政文書を手がかりに見つめてみたい方。
3|読むことや立ち止まることを含めて過ごすワークショップに関心がある方
発言や議論を前提とせず、文書に向き合う時間をそれぞれのペースで過ごしてみたい方。
2026年4月19日(日)19:00-21:00
BUG
無料、事前要申込

フランス政府給費留学生として渡仏し、パリ第8大学(芸術学)および早稲田大学(文学)で修士号を取得後、日本学術振興会特別研究員を経て、早稲田大学文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。研究・批評の視点をもとに、現在はダンスを中心とした公演・展示・フェスティバルの現場に携わる。執筆や対話、創作への並走を通じて、作品や企画をめぐる異なる領域・文化・制度のあいだを接続している。美術領域との協働にも取り組み、「MEET YOUR ART FESTIVAL 2024」ではアートエキシビションの共同キュレーターを務めた。横浜市の舞台芸術創造拠点「急な坂スタジオ」プログラム・ディレクター。日本大学芸術学部演劇学科非常勤講師。DEZAR inc. 共同代表。
【近年の主な参加企画】
ドラマトゥルク:北村明子『THE LONG STRONG HAPPY DEATH』(2025)、エイドリアン・ルテイン×松岡大『UNUM』(2025)、笠井叡『畑の中の野うさぎの滑走 一匹のトカゲが焼けた石の上を過った』(2024)、川口隆夫『バラ色ダンス 純粋性愛批判』(2022〜23)。
プロデュース/企画制作:新人Hソケリッサ!(2021〜)、大森瑶子(2025〜)、鯨井謙太郒(2022〜)、武本拓也(2024)。
編集:ヨコハマダンスコレクションWEBマガジン「おどりよむ」(2023〜)、「紙背WEB」ゲスト・キュレーター(2024〜25)。

台北育ち、京都市在住。覚えやすくするために名字の一文字目を活動名の「も」としています。
2025年までNPO法人Dance Boxのダンスカンパニー「Mi-Mi-Bi」のメンバーとして活動。
システムエンジニアとしてキャリアを積む中、自身の病やそこからはじまる医療、医療以外の社会的な経験を通じて「ケア」とその手前にあるその対象が持つ共振性に関心を持つようになりました。言語化すると難しいことでも、アイディアを直感的に理解したり、いろいろな人と体験を共有できるような企画を立案していきます。
主な出演作に、Monochrome Circus「FLOOD」(2019、京都芸術センター)、Mi-Mi-Bi「島ゞノ舞ゝゝ」(2024、豊岡演劇祭公式プログラム)など。

