開催概要
アートワーカー(企画者向け)オンラインプログラム CRAWLは、文化芸術のフィールドでさまざまな形で企画について考えながら、実践してきた方たちをお招きして、レクチャーを開催します。
本レクチャーシリーズは、CRAWLのプログラムの一環として開催され、どなたでもご参加いただけます。
第三回目はキュレーターの能勢陽子さんをお招きいたします。
「なにがキュレーターたらしめるのか」と題して、長年豊田市美術館で学芸員として多くの展覧会を企画してきた能勢さんより、公立美術館における学芸員/キュレーター(企画・専門職)、芸術における公共性をキュレーションがどのように支え、作り続けるのかをお話しいただきます。
芸術の分野のみならず、日本の文化芸術を取り巻く公共性について考えるきっかけとなれば幸いです。
講師からのコメント
キュレーターをキュレーターたらしめるものはなにか—いまこの問いに、思いがけず唐突かつ切実に向き合うことになりました。というのも、この4月に突如美術館から市役所に異動することになり(公立美術館ではごく稀にあること)、私が学芸員でありえたのは美術館という場があったからなのか、日本の学芸員/キュレーターは社会のなかでどのような存在なのか、そして最終的には“芸術における公共性とはなにか”という本質的な問題を、改めて突きつけられているように感じているからです。
以前、ある作家が語っていたこんな言葉を時折思い出します。「時代によって芸術を取り巻く制度は変わるけど、シャーマンでも道化でもどんなかたちでも、いつも必ずアーティストたちは現れてくる」、と。現在の美術を取り巻く状況は、組織の論理も美術の制度も、価値も経済も、熟慮も軽薄も、優しさも残酷も複雑に絡み合っていますが、企画にとって大切なことはなにか、シンプルに考えてみたいと思います。
こんな人にオススメ
▷美術館が好き・興味がある
▷学芸員、キュレーターという仕事に関心がある
▷文化芸術のフィールドにおいて企画をすることに関心がある
2024年9月14日(土)19:00-21:00
オンライン(Zoomを用いて開催いたします)
無料、事前要申込
これまで企画した主な展覧会に、「ダブルリバー島への旅:曽根裕」(2002)、「Twist and Shout Contemporary Art from Japan」(2009/バンコク・アート&カルチャーセンター/国際交流基金主催)、「石上純也─建築の新しい大きさ」展(2010)、「反重力」展(2013)、「杉戸洋─こっぱとあまつぶ」展(2016)、「ビルディング・ロマンス」(2018)、「ホー・ツーニェン:百鬼夜行」(2021–22)、「ねこのほそ道」(2023)、「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」(2024)など。「あいちトリエンナーレ2019」キュレーター(2019/名古屋市、豊田市)、美術雑誌やウェブマガジンに執筆多数。