BUGでは、アートワーカーのためのオンラインプログラム「CRAWL」を新たに始めます。

BUGの活動方針のひとつであるキャリア支援に基づいたアートワーカー(企画者向け)のオンラインプログラムです。

「企画者」とは美術においてはキュレーター、演劇においてはプロデューサー、演出家やドラマトゥルク、ジャンルによって名前がそれぞれに細分化された肩書きの総称として用いています。

日本ではまだまだ少ない文化芸術における「企画」を担い、実行できる人の発掘、育成のみならず、機会と場をつなぎ、未来へつづくつながりを形成していくことを目的としています。

従来のアートマネジメント人材養成講座とは異なり、実践することを重視する本プログラムは、2025年5月から7月までにBUGにて開催できる「企画」の企画書を参加する際に、あらかじめ提出していただきます。

これまで、BUGでは主に展覧会を行なってきましたが、展覧会でなくても構いません。演劇、パフォーミングアーツの公演や音楽イベント、映画の上映会など何でもオーケーです。また、このために新しい練った企画でなくても大丈夫。巡回展や再演など、一度どこかでお披露目したことのある企画を都心のど真ん中、東京駅八重洲口徒歩3分のアートセンターで再び行うことも可能です。

単なる企画公募にとどまらず、メンターとの壁打ちやスタッフが用意するミーティングにより、企画書のリバイスをしていき、その後、2025年にBUGにて開催する企画を選出します。今、ここでしかあり得ない企画をお待ちしております。

また、選出された企画者は、2024年秋以降BUGスタッフの手厚いサポートと共に企画を実現してゆきます。

良い企画とは企画書と予算の見積もりから生まれるもの、と定めて、じっくり自分の企画に向き合う夏を過ごしましょう。

応募期間

2024年3月15日(金)-5月31日(金)(※〆切18時まで)

・定員40名(応募者多数の場合、抽選の上決定)

・参加費:無料

・下記の「参加と応募について」をよく読んだ上、ご応募ください

 

参加と応募について
参加条件

・企画書を提出できること

・自らが企画した物事や選んだ人に対して責任を持ち、2025年5月-7月まで動ける人

応募について
応募条件

・制作費上限100万円以内で予算を調整すること

(企画が選出された場合、制作費とは別にBUGからはポスター、チラシ制作費用、記録のための動画・静止画撮影費、BUGのウェブサイトにて日英での紹介の費用を負担をします。また、機材の提供、設営・撤去費などの費用も相談のうえお支払いします。)

・開催期間は2025年5月14日(水)-7月27日(日)の間で、最短14日間、最長25日間(休館日を含む)を設定すること

・他の助成金との併用可能(他助成金は応募者各自で申請してください)

応募にあたっての注意

・営利を目的とした企画は受付することができません。

・BUGは、一般に広く開放されたアートセンターです。そのため、過度な性的表現をはじめ公序良俗に抵触する企画内容は、変更を求めることがあります。

・応募者は、応募企画が第三者のいかなる権利も侵害していないことを保証し、万一第三者からの苦情等があった場合には、自らの責任で解決してください。

・記載内容の不備、虚偽などが認められた場合、または規定違反、その他問題が生じた場合は、企画の実施を取り消すことがあります。

・応募が原因で何らかの損害が発生した場合にも、株式会社リクルートホールディングスは一切の責任を負いません。

 

【過去に行った企画で応募する場合】

・2020年以降に行った企画であること。年を跨ぐ場合は、終了日を優先する

・過去に開催した企画の主催者、出展者、出演者、協力者の理解を予め得ておくこと

 

【新しい企画で応募する場合】

・実現可能な企画であること(BUGから提供するサポート以外は全て応募者の名のもとの責任とし、一切のサポートは行わない)

企画選出後の機会

・制作費上限100万円を支給します

(制作費とは別にBUGからはポスター、チラシ制作費用、記録のための動画・静止画撮影費、BUGのウェブサイトにて日英での紹介の費用を負担をします。また、機材の提供、設営・撤去費などの費用も相談のうえお支払いします。)

・採択者*とは業務委託契約を締結し制作費とは別に報酬をお支払いします

・遠方にお住まい**の方へ:BUGが招聘した会場の下見や打ち合わせなどの交通費をお支払いします

*グループでの応募の場合、代表者1名のみの支給となります。
**東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県以外の在住者。日本国内移動分での公共交通機関の普通運賃をお支払いします。交通費をお支払いするのは応募者または応募代表者1名のみとなります

応募期間

2024年3月15日(金)-5月31日(金)(※〆切18時まで)

・定員40名(応募者多数の場合、抽選の上決定)

・参加費:無料

「参加と応募について」をよく読んだ上、ご応募ください

 

プログラム期間

2024年6月15日(土)-9月29日(日)

・プログラムはGoogle Classroom、Google Meetを用いて行います

・メンターはオフィスアワーを設け、参加者がオフィスアワーに合わせて企画書の壁打ちを申し込みます
日程が合わない場合、メンターが赤入れをして参加者に返すこともできます

 

【プログラム日程】
キックオフミーティング・・・・・・6月15日(土)18時-20時(※要参加)
クロージングミーティング・・・・・9月29日(日)18時-20時(※要参加)
(クロージングミーティングにて、2025年にBUGにて開催する企画を決定します)

 

ネットワークミーティング・・・・企画者同士の活動の中での困りごと・tips などの共有、企画書の全体アドバイス(希望者のみ)などネットワーク形成を目的としたミーティングです。

日時:7月26日(金)、8月23日(金)、9月15日(日)いずれも19時-21時(※自由参加)

 

このほかにも、レクチャーやミーティングなどのプログラムを用意しております。その他のプログラムの日程は決まり次第、随時お知らせいたします

レクチャーシリーズ

文化芸術のフィールドでさまざまな形で「企画」について考え、実践してきた方たちをお招きして、レクチャーを開催します。
※このレクチャーシリーズは、CRAWLのプログラムの一環として開催されますが、どなたでもご参加いただけます。

Q 「企画」とは何を指しますか?

A BUGのスペースを用いて開催可能な非営利の文化芸術全般のイベント、展覧会、公演を指します。キュレーター、演出家、ドラマトゥルク、プロデューサーなどの「企画者」を発掘・育成する目的で本プログラムは行われています。

Q 企画書を書くのも、企画を行うのも初めてです。応募できますか?

A 可能です。

Q 過去に企画したものを巡回・再演する場合、改変はしてもいいのでしょうか。

A 過去に開催した協力者への承諾を得ていれば可能です。

Q 複数の企画案を提出することは可能ですか。

A 本プログラムは企画者の育成・発掘に重点を置いたプログラムとなっております。プログラム参加の公平性を期すために、一人につき一案での応募をお願いします。

Q アーティストです。自分の個展で応募することはできますか?

A 本プログラムは企画者の発掘・育成を目的としたもので、応募者本人のみの企画は本プログラムの意図に沿いません。制作歴10年以下の場合、BUG Art Awardへの応募をお勧めします。

Q アーティストです。自身もアーティスト兼企画者として参加することは可能でしょうか?

A 可能です。

Q 会社勤めです。プログラムに参加した場合、副業扱いになりますか。

A プログラム自体の参加は副業扱いにはなりませんが、企画が採択された場合は報酬をお支払いするので副業扱いとなります。ご自身の所属される会社の副業規則に沿って応募をご検討ください。

Q 団体・複数名で応募することは可能ですか?

A 可能ですが、交通費やフィーなどは代表者1名分のみの支給となります。

Q 代表者ではない協力者が報酬を受け取る窓口となってもいいですか?

A 問題ありません。ただし、協力者は企画内にて明確な役割を持っていることを前提とします。

Q 団体・複数名で応募した際の代表者以外の人件費を制作費から捻出することはできますか。

A できます。しかし、代表者には別途報酬をお支払いいたしますので、代表者の人件費を制作費から支払うことはできません。業務内容に見合った賃金を、活動地での最低賃金を参考にし、互いの合意の上、設定してください。

Q 企画書内に記載する制作費の項目を教えてください。

A 作品をつくるための制作費、人件費、運搬費、設営費です。設営・撤去費の費用はご相談の上、妥当と認められる範囲において、それに係る人件費を含めBUGが支払います。企画書内に記載をお願いします。

Q 応募書類の収入欄に入場料収入を見込んでもいいですか。

A 原則不可です。どうしても難しい場合はプログラム期間中にご相談ください。

Q 助成金申請のほかにクラウドファンディングをすることは可能ですか?

A 可能ですが場合によっては協議の上、内容などの変更を求める場合があります。

Q BUGから提供するサポートとはどのようなものがありますか?

A ポスター、チラシ制作費用、記録のための動画・静止画撮影費、BUGのウェブサイトにて日英での紹介の費用を負担をします。また、機材の提供、設営・撤去費などの費用も相談のうえお支払いします。その際の費用はこれまでのBUGでの実績に準じた金額設定となります。

Q BUGにてレンタル可能な機材や什器のメーカーや型番を教えてください。

A 下記の機材リストよりご参照ください。

Q BUGに併設されているBUG Cafeと協働することは可能ですか。

A 内容によりますが可能です。企画書内にBUG Cafeと協働したい内容についてのご記載ください。ただし、BUG Cafeの営業が難しくなるような内容での協働はお断りする恐れがあります。

Q 企画を開催予定期間外で行うことは可能でしょうか?

A できません。必ず会期はあらかじめ提示されている期間内に設定してください。

Q オフラインやハイブリッドでのイベントの開催の予定はありますか?

A 予定していません。本年はすべてオンラインにて開催します。

Q 参加者同士のコミュニケーションは日常的に行えますか?

A 可能です。ただし、キックオフミーティングにて説明するガイドラインを守ったコミュニケーションを心がけてください。

Q 選出後のスケジュールについて教えてください。

A 選出後は業務委託契約を結び、パートナーとして2025年の企画実施の実現に向けて協働していきます。
会場の下見や最終的な制作費・設営、撤去の工程の計画を立てながら、開催日の3ヶ月前には告知物などを完成させて告知を開始します。

Q 作品購入の問い合わせがあった場合、対応は可能でしょうか。また、会場にてグッズやカタログを販売することは可能ですか?

A 万が一、作品購入の問い合わせがあった場合は受付スタッフが企画者に取り次ぎますので、当事者間にて販売についてご対応ください。
グッズやカタログの販売も可能です。

Q 搬入の際、車両はどの程度の大きさまで対応可能でしょうか?

A BUGが入っているグラントウキョウサウスタワーの車両の高さ制限は3,000mm以内です(車両サイズは2tロングまで)。

FAQを読んでも問題が解決しない場合
こちらよりお問い合わせください。(ご返信には2~3営業日ほどかかります。締切直前での回答は致しかねますので、ご容赦ください。)

メンター

メンターはワークショップやレクチャーの開催のみならず、企画書の壁打ちやミーティングの参加などでCRAWLを一緒に泳いでくれます。

※メンターのワークショップ/レクチャー、企画書の壁打ちなどはCRAWLの参加する方対象のプログラムです。

池田 佳穂/Kaho IKEDA
インディペンデントキュレーター

2016年より東・東南アジア中心に、土着文化や社会情勢から発展したコレクティブとDIYカルチャーを調査。主にインドネシア各地で展覧会やワークショップなどを現地アーティストと共同開催した。展覧会・パフォーミングアーツ・教育プログラムなどを複合した横断的なキュレーションに関心をもつ。森美術館でアシスタントとして経験を積み、2023年春に独立。
近年の実績は「オープンパークMINE:ストリート/どう遊ぶ?」(山中suplex別棟MINE、2023)、「Radical Guidebooks to Our Futures」(Leggy_/Dig A Hole Zines同時開催、2023、Jason Waiteと共同企画)、「バグスクール:うごかしてみる!」(BUG、2023)、「一人で行くか早く辿り着くか遠くを目指すかみんな全滅するか」(山中suplex、2024)、神戸六甲ミーツ・アート2024 beyondのキュレーター就任。

撮影:小田駿一

花井 優太/Yuta HANAI
クリエイティブ・ディレクター/編集者

フリーランスのライターとして活動後、2013年に博報堂ケトルに入社。2023年にSource McCartney LLC.を設立。

世の中の文脈にフィットまたは先見性を持った戦略、クリエイティブ、情報設計など、企業や行政のコミュニケーション企画を行う。カルチャー誌『ケトル』副編集長などを経験したのち、2021年にブートレグからビジネス&カルチャーブック『tattva』創刊。同誌編集長。受賞歴に日経広告賞部門優秀賞、毎日広告デザイン賞準部門賞など。ATAMI ART GRANT2023レジデンスアーティスト。株式会社横浜グランドインターコンチネンタルホテル戦略室顧問。著書に『カルチュラル・コンピテンシー』がある。

レクチャーシリーズ 講師

文化芸術のフィールドでさまざまな形で「企画」について考え、実践してきた方たちをお招きして、レクチャーを開催します。
※このレクチャーシリーズは、CRAWLのプログラムの一環として開催されますが、どなたでもご参加いただけます。

撮影:守屋友樹

和田ながら/Nagara WADA
演出家、したため主宰

京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科卒業、同大学大学院芸術研究科修士課程修了。2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。主な作品に、作家・多和田葉子の初期作を舞台化した『文字移植』、妊娠・出産を未経験者たちが演じる『擬娩』など。美術、写真、音楽、建築など異なる領域のアーティストとも共同作業を行う。2013年から2015年、Dance Fanfare Kyotoの企画・運営メンバー。2018年より多角的アートスペース・UrBANGUILDのブッキングスタッフ。2019年より地図にまつわるリサーチプロジェクト「わたしたちのフリーハンドなアトラス」始動。NPO法人京都舞台芸術協会理事長。

撮影:安田有里、©Ko Na design

若林朋子/Tomoko WAKABAYASHI
プロジェクト・コーディネーター/立教大学大学院社会デザイン研究科特任教授

デザイン会社勤務を経て、英国で文化政策とアートマネジメントを学ぶ。1999~2013年公益社団法人企業メセナ協議会に勤務。プログラム・オフィサーとして企業が行う文化活動の推進と芸術支援の環境整備に従事。2013年よりフリーランス。「調整する人」の必要を感じてきた経験から、相談者が思い描く「こうだったらいいな」を一緒に形にするお手伝いをすべく、各種事業の企画立案、コーディネート、リサーチに取り組む。2016年より夜間と週末は社会人大学院教員。経験豊富な社会人院生と多彩な分野の教員に刺激をもらい、望ましい社会のありようをアートの視点で考える日々。