開催概要

アートワーカー(企画者向け)オンラインプログラム CRAWLは、文化芸術のフィールドでさまざまな形で企画について考えながら、実践してきた方たちをお招きして、レクチャーを開催します。
本レクチャーシリーズは、CRAWLのプログラムの一環として開催され、どなたでもご参加いただけます。
第一回目は演出家/したため主宰の和田ながらさんをお招きいたします。

「決める係、会うことの自由形」と題して、演出家として演劇のみならず領域横断的に活動する和田さんより、演劇における演出家の役割や和田さんの具体的な実践などについてお話ししていただきます。
演劇の分野のみならず、文化芸術における企画の役割を更に細やかなものとして考えるきっかけとなれば幸いです。

講師からのコメント
演出家の仕事とは、いったいなんなのだろう。たとえば絵画や彫刻のように「これです」と示すことができるかたちではないのは確かで、詩や小説のように書き留められた文字を借りることはあっても書くわけでなく、俳優やダンサーのように観客の前に身体を突っ立てもしない。照明や音響や舞台装置といったテクニカルな部署には専門家がいるので、わたしは機材らしい機材を触らなくてよい。いよいよやることがない、と焦りはじめてから、そういえば「決める」ということはよくやっている、と気づきました。
「決める」というのは、ある場面では、AかBかCのどれがよいかを選ぶことです。また、ある場面では、「決めない」ということを「決める」というときもあります。宙吊りにしておく、成り行きに任せる、という方針をくっきりさせるのも決断。このとき、むずむずとわきあがる「決めたさ」を御することが肝要(かもしれない)。
演出家は「決める」係だ、と、仮に決めるところから、考えてみようと思います。

こんな人にオススメ
▷演劇が好き・興味がある
▷演出家という仕事に関心がある
▷文化芸術のフィールドにおいて企画をすることに関心がある

開催日時

2024年7月19日(金)19:00-21:00

会場

オンライン(Zoomを用いて開催いたします)

参加費

無料、事前要申込

和田ながら/Nagara WADA(撮影:守屋友樹)
撮影:守屋友樹
和田ながら/Nagara WADA
演出家、したため主宰

京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科卒業、同大学大学院芸術研究科修士課程修了。2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。主な作品に、作家・多和田葉子の初期作を舞台化した『文字移植』、妊娠・出産を未経験者たちが演じる『擬娩』など。美術、写真、音楽、建築など異なる領域のアーティストとも共同作業を行う。2013年から2015年、Dance Fanfare Kyotoの企画・運営メンバー。2018年より多角的アートスペース・UrBANGUILDのブッキングスタッフ。2019年より地図にまつわるリサーチプロジェクト「わたしたちのフリーハンドなアトラス」始動。NPO法人京都舞台芸術協会理事長。