開催概要

「陸路(スピルオーバー#1)」のイベントとして、『アンチ・ジオポリティクスー資本と国家に抗う移動の地理学』の著者である北川眞也さんをお招きし、本展キュレーターの長谷川新とトークイベントを開催します。

展覧会のタイトルとなっている「スピルオーバー」は、人の定めた境界線を超えて電波が届く現象を指す言葉ですが、北川さんの『アンチ・ジオポリティクス』もまた、地政学的な視点からは見落としてしまう人や物の移動について書かれた論集です。移動する存在の「身元確認」をどのように行うかという実践において国家が成立し、経済と軍事の両輪で「ロジスティクス」が生み出されている。こうした、俯瞰し、分割し、管理しようとする「地政学的想像力」によって作られた現実のなかで、人々がどのようにそれらを出し抜き、抗い、生きているのかを追った『アンチ・ジオポリティクス』は、今読まれるべき重要な一冊となっています。

イベントでは、北川さんと長谷川が、『アンチ・ジオポリティクス』の問題意識をあらためて共有しつつ、「地図」や「フロー」では捉えきれない存在たちや展覧会のうごめきについてトークを行う予定です。題して、「移動の震えを聴く」。ぜひお越しください。

開催日時

2024年5月29日(水)19:00 – 20:30

参加費

無料

定員

25名

イベント風景
北川眞也/Shinya KITAGAWA
三重大学准教授・地誌学者

1979年、大阪府生まれ。関西学院大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(地理学)。現在、三重大学人文学部准教授。専門は政治地理学、境界研究。著書に、『アンチ・ジオポリティクス───資本と国家に抗う移動の地理学』(青土社、2024年)、『交差するパレスチナ───新たな連帯のために』(共著、新教出版社、2023年)など。訳書に、サンドロ・メッザードラ『逃走の権利───移民、シティズンシップ、グローバル化』(人文書院、2015年)、フランコ・ベラルディ(ビフォ)『ノー・フューチャー───イタリア・アウトノミア運動史』(共訳、洛北出版、2010年)がある。

撮影:黑田菜月

長谷川新/Arata HASEGAWA
インディペンデントキュレーター

主な企画に「クロニクル、クロニクル!」(2016-17)、「不純物と免疫」(2017-18)、「グランリバース」(2019-)、「αM Project 2020-2021 約束の凝集」(2020-21)、反戦展(2022-)、「奈良・町家の芸術祭はならぁと2023 宇陀松山エリア SEASON2」(2023)など。「日本戦後美術」を再検討する「イザナギと呼ばれた時代の美術」を不定期連載中(Tokyo Art Beat)。翻訳にジュリア・ブライアン=ウィルソン著 『アートワーカーズ─制作と労働をめぐる芸術家たちの社会実践』(高橋沙也葉・松本理沙・武澤里映・長谷川新の共訳、フィルムアート社、2024年)。

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