本展は、第3回BUG Art Awardの一次審査と二次審査を通過した6名のファイナリストによるグループ展です。9月30日(火)にはグランプリ1名を選出するための公開最終審査を行います。グランプリ受賞者は、約1年後にBUGにて個展を開催し、設営撤去をあわせた作品制作費上限300万円と別途アーティストフィーが支給されます。
BUG Art Awardは、制作活動年数10年以下のアーティストを対象に株式会社リクルートホールディングスが運営するアワードです。審査員からのフィードバックの提供や、展示・設営に関する相談会の開催などのサポートを行い、審査過程においてもアーティストの成長に関与*していきます。BUGの前身であるガーディアン・ガーデンが31年間実施してきた『ひとつぼ展』(1992-2008)、「1_WALL」(2009-2023)を引き継ぎ、新しい表現への挑戦やアーティストのキャリア形成をバックアップします。
※第4回BUG Art Awardの応募受付は2026年1月21日(水)〜3月4日(水)を予定しています。
みどころ
新たな2名の審査員を迎えての新体制によるアワードのファイナリスト展
本アワードでは審査員の任期を最大3年としています。アート業界の変化に対応し、アワードも変化し続ける必要があると考えているためです。そして今回から、美術家の百瀬文さんとやんツーさんを新たに審査員として迎えました。百瀬さんは映像によって映像の構造を再考させる自己言及的な方法論を用いながら、他者とのコミュニケーションの複層性を扱い、やんツーさんはテクノロジーによって無意識化/隠蔽される 政治性や特権性を考察し、明らかにしていくことを試みています。2名の審査員を迎えたことでアワードの応募者層やファイナリストにも変化が生まれました。これまでのファイナリスト展とはまた違う新たな表現、変化を感じていただけると思います。BUG Art Awardの新しい展開 にぜひご注目ください。
会期中に、イベントと公開最終審査を開催
ファイナリスト6名による展示ツアー+ミニトーク
会期中の9/24(水)及び10/18(土)19:00からファイナリスト6名による展示ツアーとトークイベントを開催します。当日はファイナリストによる作品説明のほか、BUG Art Awardへの応募きっかけや、普段の制作活動についてなど、さまざまなテーマから6名を知っていただき楽しめる企画です。
出演|沖田愛有美、徐秋成、善養寺歩由、髙橋瑞樹、吉原遼平、里央(敬称略)
日時|2025/9/24(水)及び10/18(土) 19:00~20:30
参加方法|会場参加のみ
申込み | Peatixより要事前申込、参加無料(詳細はBUGのウェブサイトやSNSをご確認ください。)申込はこちらから
公開最終審査
9/30(火)の公開最終審査では6名のファイナリストが、バグ展の展示内容とグランプリを受賞した際の個展プランについてプレゼンテーションを行います。そのプレゼンテーションと展示作品、グランプリ個展プランの3つの要素をもとに審査を行い、審査員の議論を経てグランプリが決定します。 最終審査はご予約いただいた方を対象に、全て公開(オンライン配信)で行います。
※展示について最終審査の当日、BUGは休館しています。会場にお越しいただいても、展示や審査はご覧いただけませんのでご了承ください。会場には、別の日にぜひお立ち寄りください。
応募総数418件から選出された6名のファイナリストによる展覧会
今回選出された6名のファイナリストの表現は、絵画、インスタレーション、映像、メディアアート等多岐にわたります。6名から提出された展示プランに関するコメントを以下にご紹介します。(五十音順)
沖田愛有美「実りについて」(絵画/インスタレーション )
森は本当に豊かになっているのでしょうか。温暖化や森林減少が語られる一方で、手入れを失った里山の荒廃も各地で問題となっています。かつて人は神を介して自然と関わり、実りを祝う農耕儀礼を営み、山には女神の存在も想像されてきましたが、いまや森との関係は希薄になりつつあります。本作では、人の思い通りにならない漆との応答のなかで絵を描き進めるという行為を通して、現代における自然との新たなつながりを模索します。
徐秋成「さざ波:200年後の大地震」(メディアアート/映像/パフォーマンス等の身体表現 )
この作品は「ポストメモリー」をテーマに、ゲームエンジンを用いて制作された。日本の「国生み」神話から始まり、人類の宇宙移住、地球外生命体への進化へと至る。そして物語は終盤から遡るように、地球外生命体となった人類の末裔たちが、初めてこの星に降り立った祖先の神話を手がかりに、かつての地球を想像し、高度なテクノロジーによってその世界をシミュレートしようとする。 その二つの時間軸の交差点に、「私」が存在している。
善養寺歩由「Generated Pimples」(メディアアート/インスタレーション)
本作では、AIで生成された三体の女性像と、機械仕掛けのニキビを対比させています。広告やSNSに流通する女性像は、消費を駆動させる「理想の顔」として再生産され続けます。そうした中、ニキビのような不完全性は不可視化され、身体のリアルは排除されていきます。美術史から広告に至る女性表象と、AI生成がもたらす均質化の問題を重ね合わせ、視覚文化と消費の結託によって形成される「魅力」の構造に異議を唱えます。
髙橋瑞樹「壊れた時計の針を見つめる」(メディアアート)
20年以上も前に製造され、デッドストック品として安価に売り払われたキャビネットが仕舞い込みたかったものは何か。まだ使用できるにもかかわらず、不用品として捨てられていた照明が照らしていたかったものは何か。そうした存在が持っている歴史性に着目することで、新しい何かが生み出される瞬間に立ち会いたい。本作は目に見えない力を誘発する装置として、ドローイングマシンを儀式的に用いる試みである。
吉原遼平「五大湖 The Great Lakes」(メディアアート/イラストレーション/ランドアート)
カナダとアメリカの国境にある五大湖のそれぞれの湖と似た形をもつ湖をGoogleMapsで探しました。その名も知れぬ5つの湖にGPSを埋め込んだ丸太を1つずつ放ちます。会場にはそれぞれの湖に対応する5つの生け簀が並べられます。そして、水に浮かんだQRコードをスマホで読み取ることにより、湖を漂う丸太の現在地を確認することができます。
里央「Purple Back」(メディアアート/映像/パフォーマンス等の身体表現)
パレスチナでの虐殺を止めるために呼びかけられるBDS運動や、警察によるレイシャルプロファイリングの経験、ミスジェンダリングをめぐる問題について、複合的に示唆されながら進んでいくダイアログに、作家自身がリップシンクする映像を、ハンモックに座って視聴する。ドラアグは、男女二元論への抵抗として。ハンモックは、日本社会においてスティグマ化される人種やジェンダーをめぐるトピックを、宙ぶらりんな状態で聴かせるための設定として用意されている。
開催情報
沖田愛有美、徐秋成、善養寺歩由、髙橋瑞樹、吉原遼平、里央
2025年9月23日(火・祝) – 2025年10月19日(日)
11:00 – 19:00
※イベント開催時は、18時に閉館します。
火曜
※9/23は開館します。
無料
BUG