「CRAWL」は、株式会社リクルートホールディングスが運営するアートセンターBUGで行っているアートワーカー(企画者)向けのプログラムです。企画書をコミュニケーションツールとして、メンターとの壁打ちや参加者同士のピアレビュー、ネットワーク構築などアートワーカーの機会と場をつなぎ、未来へつづくつながりを形成していくことを目的としています。
「CRAWL」で選出されたもによる「ドゥーリアのボールルーム」を2026年6月10日より開催いたします。
本プロジェクトは、異なるマイノリティが交差する地点を検証し、新たな連帯の可能性を模索する試みとしてスタートしました。
「ケア(生を支えること)」「クィアネス(規範を揺さぶること)」あるいは「グリーフ(喪失と共にあること)」が重なり合う場所に立ち、その「居合わせ」の瞬間に生まれるAesthetics(美学/感性学)を解明していく。そのプロセスを走らせ、その状態 をあるがまま提示しようとするものです。
大きな見どころとして、会場では医療的ケア児の家族によるライブ・パフォーマンスを行う予定です。また、パフォーマンスが行われない時間、会場はその姿を変容させます。写真・動画・生物を起点としたインスタレーションを通じ、アートセンターを市民のための「公園」の理念に沿うような、開かれた公共圏として再定義(アップデート)します。
展示、そして観客とのインタラクション の時間の中で、私たちが共に生きるための「居場所」の残像と予感 を描き出します。
みどころ
ケアとクィアネスが交差する、変容の「ボールルーム」
ケアという個人的・日常的な営みと、クィア文化が持つ抵抗と祝祭の精神が交わる地点を提示します。ケアラー(家族)がドラァグクイーンへと変容し、子どもたちの声や音に身体を委ねるリップシンク・パフォーマンスは、固定化された役割を超えた「生」の輝きを放ちます。それは単なるショーではなく、連帯の端緒を捉えるための切実な実験場です。
「居合わせ」の空間がもたらす新たな鑑賞体験
パフォーマンスが行われない時間、会場は展示とインタラクションの場として、ゆったりと滞在できる空間へと姿を変えます。そこには何が配置され、どのような気配が残されているのか。インタラクティブな工夫を備えた写真展示や、パフォーマンスの断片が織りなす空間を通じ、その場に誰かと「居合わせる」ことの意味を、観客自身の身体感覚を通じて体験できます。
公共圏としてのアートセンターの再定義と、アクセシビリティの拡張
BUGという場所を、誰もが自分のペースで滞在できる「公園」の理念に沿うような空間 として開き直します。車椅子での来場はもちろん、その場に居続けることも 、あるいは「たん吸引」のために大きな音を出すことも許容されます。既存の鑑賞規範を解きほぐし、多様な身体や背景を持つ人々が等しく「そこにいてよい」と感じられる場所を創出します。
企画者プロフィール

台北育ち、京都市在住。
覚えやすくするために名字の一文字目を活動名の「も」としています。
2025年までNPO法人Dance Boxのダンスカンパニー「Mi-Mi-Bi」のメンバーとして活動。
多様な在り方を持つメンバーそれぞれが「わたし」らしい踊りを仮に置くところからはじまり、(わたし、ではなく)その場に確信が表れるべく、稽古を続け、関係を揉み合っているうちに、上演日がやってくる、そのような日々を送っています。
システムエンジニアとしてキャリアを積む中、自身の病やそこからはじまる医療、医療以外の社会的な経験を通じて「ケア」とその手前にあるその対象が持つ共振性に関心を持つようになりました。言語化すると難しいことでも、アイディアを直感的に理解したり、いろいろな人と体験を共有できるような企画を立案していきます。
主な出演作に、Monochrome Circus「FLOOD」(2019、京都芸術センター)、
Mi-Mi-Bi「島ゞノ舞ゝゝ」(2024、豊岡演劇祭公式プログラム)など。
開催情報
2026年6月10日(水曜日)-28日(日曜日)
11:00-19:00
火曜日
無料
BUG
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