インディペンデント・キュレーターの池田佳穂をゲストキュレーターに迎え、2025年12月17日(水)より、「バグスクール2025:モーメント・スケープ」を開催します。本企画は、複数のアーティストを一挙に紹介する場として、アーティスト7名が小展示と多様なプログラムを実施します。アーティストの思考や作品に触れる機会を創出することで、アートセンターの可能性を広げることを目指しています。これまでアートに触れる機会の無かった社会人や学生など、様々な方々にも楽しんでいただける学び場です。

「バグスクール」はグループ展と参加型プログラムを組み合わせたアートプロジェクトです。インディペンデント・キュレーターの池田佳穂がBUGと協働で考案し、今年で3回目の開催となります。アーティストと対話し、学び合うなかでの作品購入体験も創出します。BUGの活動方針の一つであるキャリアの支援に基づき、作品販売経験の少ないアーティストにその機会を提供します。作品販売に関する書類作成や、価格やサイズの検討などのプロセスにも関わり、アーティストの活動の幅を広げる応援をしていきます。売上は、アーティスト収入分、配送経費等を除いた全額を「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付します。
また、「バグスクール」ではラーニングスペースを設けています。ここは、参加型プログラムの会場となるほか、出展アーティストの推薦書籍も読むことができ、展示以外の側面からアーティストへの理解を深めることができます。お子様やご友人と、鑑賞の合間に一息ついたり、作品について語り合ったりと、どなたでも自由にご利用いただけるスペースです。なお、このラーニングスペース内でのみ、BUG Cafeの飲み物をお楽しみいただけます。
キュレーターコメント
アーティストは作品をつくり、鑑賞者は表現を受け取り解釈する。バグスクールでは、こうした枠組みにとらわれず、鑑賞者が作品や参加型プログラムを通じて自ら感じ、考えることや、アーティストとのあいだに思いがけない対話や発見が生まれるような関係を重視しています。
今回もその姿勢を引き継ぎながら、7名のアーティストと協働し、より多層的な関わりを育む40日間限定のアートプロジェクト「バグスクール2025:モーメント・スケープ」を開催します。
タイトルは「瞬間(Moment)」と「風景(Scape)」を組み合わせた言葉で、日常の中で積み重なる経験や、ふとしたときに生まれる感覚的な気づきなど、さまざまな「瞬間」を手がかりに、生や生活のあり方を捉え直したいという思いが込められています。
制作のヒントとして、アーティストと2つのキーワードを共有しました。
・Pile of Moment(積み重なる瞬間)
例:日々の経験や思考の蓄積が、私たちの営みを形づくっていること。
・Catch Moment(とらえる瞬間)
例:感覚をひらくことで、普段とは異なるものの見方が可能になること。
これらの解釈はアーティストに委ねました。どちらか一方を起点にする人もいれば、2つのキーワードを行き来しながら制作する人もいます。こうしたアーティストの多彩な実践に、鑑賞体験や参加型プログラムを通じて来場者の思考や感覚が交わることで、異なる視点と瞬間が重なり、風景のようにひらかれた場として本プロジェクトがかたちづくられていくことを願っています。
キュレータープロフィール
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2016年より東南アジアを中心に、アート・コレクティブ、DIYカルチャー、カルチュラル・アクティビズムの調査を行う。森美術館でアシスタントとして経験を積み、2023年春に独立。現在は、山中suplexの共同プログラムディレクター、およびアートセンターBUGのゲストキュレーターを務める。近年の主な展覧会およびラーニング事業の企画に、「バグスクール2024:野性の都市」(BUG、2024年)、「一人で行くか早く辿り着くか遠くを目指すかみんな全滅するか」(山中suplex、2024年)、「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」(兵庫、2024年)などがある。そのほか、「T3 NEW TALENT」(T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO)キュレーター部門に選出。国際芸術センター青森[ACAC]公募AIR2025ゲスト審査員。シャルジャ・ビエンナーレ16 キュレータープログラム参加。
バグスクールの楽しみ方

作品を鑑賞する
日常の中で積み重なる経験や、ふとしたときに生まれる感覚的な気づきなど、さまざまな「瞬間」を手がかりに、生や生活のあり方を捉え直す作品を展示します。展示壁の素材や角度を工夫し、奥行きのあるBUGのスペースを複層的に活用することで、作品同士の重なりや、鑑賞体験にリズムや変化が生まれる空間を目指しています。

プログラムに参加する
出展アーティストによる参加型プログラムを会期中に開催します。手を動かしながらアーティストの制作背景を追体験できるワークショップや、作品の世界観を引き継ぎつつ、BUG周辺の都市空間を活用したワークショップなどを予定しています。 各プログラムでは「ラーニング」(Learning)の視点を入れ、異なる背景を持つ人々が双方向的なコミュニケーションのなかで、気づきや学びを得られる実践が生まれることを目指しています。
※会期中プログラム詳細はこちら
作品を購入する
会期中、展示作品を販売しています(一部除く)。展示を見て気になった作品や、プログラムに参加してファンになったアーティストの作品をご自宅で楽しむことができます。ラーニングスペースでは作品を部屋に飾る方法も紹介しています。
売上は、アーティスト収入分、作品配送経費等を除く収益金を、セーブ・ザ・チルドレンに寄付し、今と未来を担う子どもたちの支援のために役立てます。
※購入できる作品はこちら(作品リストは随時更新します)
開催情報
Aokid、芦川瑞季、KANOKO TAKAYA、坂本森海、タツルハタヤマ、八木恵梨、𠮷田勝信
2025年12月17日(水)– 2026年2月8日(日)
11:00 — 19:00
※イベント開催のため12/17(水)、12/19(金)、1/16(金)は18時に閉館します。
火曜
※年末年始休館:2025年12月29日(月)– 2026年1月6日(火)
無料
BUG

