本展は、第4回BUG Art Awardの一次審査と二次審査を通過した6名のファイナリストによるグループ展です。9月15日(火)にはグランプリ1名を選出するための公開最終審査を行います。グランプリ受賞者は、約1年後にBUGにて個展を開催し、設営撤去をあわせた作品制作費上限300万円と別途アーティストフィーが支給されます。
BUG Art Awardは、制作活動年数10年以下のアーティストを対象にしたアワードです。審査員からのフィードバックの提供や、展示・設営に関する相談会の開催などのサポートを行い、審査にまつわる過程でアーティストの成長を支援します。新しい表現に挑戦したい、アーティストとしてキャリアを築きたいという想いを応援したいと考えています。
本展はファイナリスト6名の話し合いにより展示位置を決め、BUGの空間を使って展示・設営のシミュレーションなどを行いながら、最終の展示プランを決定していきます。ファイナリスト6名による展覧会をどうぞご期待ください。
みどころ
応募総数441件から選出された6名のファイナリストによる展覧会
今回選出された6名のファイナリストの表現は、ドローイング、彫刻、映像、インスタレーション、パフォーマンス等多岐にわたります。6名から提出された展示プランに関するコメントを以下にご紹介します。(五十音順)
大塚珠生「Connected Bodies」(彫刻/映像/パフォーマンス )
この作品は、二人の人間が貝をモチーフにしたオブジェを身に纏い、「彫刻になる」パフォーマンスです。このオブジェは二人の身体を接続する器官として機能します。各パフォーマーは互いを切り離すことのできない制約を抱えながら、複数のポーズをとり続けます。
引用されるポーズは、彫刻家カミーユ・クローデルの作品に基づいています。彼女の作品からは、作者と作品という対象間を融解する時間や、主体(作者)と創造物がゼロ距離であることを感じます。彫刻家であり彫刻であった彼女の、その作品を、生きた2つの身体と死んだ彫刻の接続によって再演します。本作では、作る主体 / 作られる客体という固定的な関係の境界を、2体の身体を直接接続することで、他者を内包する「私」として曖昧にしたいです。
齊藤美帆「通気孔より」(彫刻)
「あまり何にもならないもの」ですが、ちょうど何かの遺跡のように、ただBUGの空間に置かれるので、その背後にあるかもしれない遠くて広大な営みの気配に、思いを馳せることはできるかもしれません。この作品が訴える事は特にありませんし、何かを代表もしません。誰にとっても、なんとなく遠くて近いものです。その代わりに、この作品の周りはあらゆる立場・種別を超えた観る人のための共有地です。
さとうくみ子「「耳ほり」のおはなし」(ドローイング/映像/インスタレーション)
私は「耳ほり」がとても好きです。
棒でカリカリされる気持ち良さ。
実際に耳の中を見る事はできないけれど、
「大きなカスがある」「こんな形かも」と妄想し、ワクワクしてしまいます。
そんな楽しい「耳ほり」を、今回は「おはなし」として展開します。
ドローイング、立体、映像は、それぞれが同じようでズレていて、 そのズレから新たな「おはなし」が自由に動き出す。
鈴木一生「道具と使い方2026-抜里編-」(インスタレーション/映像/プロジェクト)
見たことのない形の道具を前にするとその使い方を想像してしまう。「こう持つだろう」「昔、使ってたな」「これは山で使える」—それは、その土地で生きてきた人々の記憶や身体感覚が、ふと立ち上がる瞬間でもある。
「道具と使い方」は、鈴木一生が制作する使い方の定められていない道具をさまざまな地域へ持ち込み、その土地に暮らす人々へ手渡し、“使い方”を聞いていくプロジェクトである。道具は、土地の素材や既製品を組み合わせながら制作される。 役に立つのか、立たないのかは分からない。ただ、その土地の風土や生活、人々の語りと結びついたとき、道具は突然、何かになろうとし始める。今回は、静岡県島田市抜里で生まれた道具や、その周囲で立ち上がった出来事を展示する。
竹内佐実「立つ人」(彫刻/写真/インスタレーション)
この作品は、私が幼い頃から見てきた、ムスリムが礼拝をする立ち姿がもととなっています。
鉄製の彫刻を海岸に1日設置しました。小雨が降り、風の強い日でした。写真は回収の1時間ほど前、雨が止み、急に空が晴れた瞬間を捉えたものです。
今、この会場で横一列に並んでいる彫刻は、サウジアラビアにあるメッカの方角を向いています。 彫刻は確かにそこに立っていたし、今は私たちの目の前で立っている。
Moche Le Cendrillon「輝く鱗の肌でもいい」」(映像/パフォーマンス/インスタレーション)
Aro/Ace(他者に性的/恋愛的に惹かれないセクシュアリティのスペクトラム)と装いのポリティクスについての映像インスタレーション作品。Aro/Aceの象徴に「ドラゴン」があり、恋愛や性愛をしない人間が社会において不可視化されていることに由来する。
ドラァグ・クイーンである作者の、人ならざるものへの共鳴とモンスターが持つ規範への抵抗のイメージをリップシンクで描きながら、Aro/Ace当事者による装いについてのおしゃべりを通して、性愛やジェンダーの規範を撹乱するクィアな身体を拡張する。
開催情報
大塚珠生、齊藤美帆、さとうくみ子、鈴木一生、竹内佐実、Moche Le Cendrillon
2026年9月9日(水) – 2026年10月4日(日)
11:00 – 19:00
火曜
無料
BUG
